思いがけずに 手をつなぎ 一緒に
寝ると
その人は 言った
「茶色で丸い ココナッツジュース飲みたい
ピーマンも 食べたい
約束だよ」
「うん 分かった 約束する」
一方的な約束をすると
すぐに 睡魔が やってきたらしい
朝いちで配達を済ませ 急いで仕事に取り掛かるのだが
あの約束が 頭から離れない
「仕方ないな」 そう独り言ち 車を走らせる
赤ん坊の頭ほどの ココナッツを買い求め
冷蔵庫で冷やし 彼が 起きて来るのを待った
しばらくして やって来た彼は
ワクワクが抑えきれず 硬い皮に 爪を立てたりして
いたが ほどなく 穴を開け ストローを差し込み
初のココナッツジュースを勢いよく 飲んだ…
少し顔を曇らせ
彼が言った
「ばばちゃん おいしいよ」
いつのまにか気遣いのできる子供に育った
孫であった
まだ 飲み残しが 入ったまま
それは冷蔵庫内にあるのだった
by母さん
2023-07-12 17:53:12
R5 庄治郎日記 7月
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